数日前は、私にとって一年の中で大切な日だった。
実父の誕生日。
父が亡くなってから28年が経つが悲しみこそ薄れたものの父のことは忘れない。
だからと言ってお盆にお供え物をするわけでもなく
毎日、仏壇や写真に手を合わせるわけじゃない。
花を供えることもない。
でもそんなものは必要ないと思ってる。
毎日、考えてるから。
いつだって忘れてないから。
あと一年で私は父が亡くなった年齢になる。
父が病に倒れた時、父が人生を諦めたような顔をした時、
私は「充分に生きたんだから」と思っていた。
若かった私は、若者が絶望的な病に倒れたわけではないのだから
悲しいけれど完璧な悲劇ではないと思っていた。
可哀想なお父さん・・・。
一生懸命、4年間の闘病生活を支えたつもりだけど
娘の私はそんなふうに思ってたんだよ。
若かったね。
ものすごく残念で正気ではいられないくらい辛かったんだと
年を取るごとにわかってくる。
だから30年近く経った今も
私はお父さんのことを考えてるよ。
負けたくないとやらなくてはと思って生きてきたのは、
父のリベンジだった。
父が残した私がダメダメになったら父が残したものがなくなるって踏ん張ってた。
何かしなきゃ、何かに勝たなきゃ、
介護中、色んなことを我慢させてしまった子供達もこのことを糧にして
誰よりも成功させなくてはと必死になってた。
もうすぐ父の年を超える。
これからは、人生を楽しもう。
父が楽しめなかった分、見ることが叶わなかった分。
それが私のミッションだ。
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